豊田 一彦 教授(理事・副学長)が一般財団法人電波技術協会より表彰

【概要】
 研究・社会連携担当理事/副学長である電気電子工学部門の豊田 一彦 教授が、一般財団法人電波技術協会より電波技術協会賞の表彰を受けました。

【本文】
 研究・社会連携担当理事/副学長である電気電子工学部門の豊田 一彦 教授が、2024年11月19日に一般財団法人電波技術協会より、前職の日本電信電話株式会社での研究業積に対して電波技術協会賞の表彰を受けました。本賞は、放送及び通信ならびに電波利用に関する技術の振興とその円滑な発展に大きく貢献をした方に贈られるもので、毎年10名程度の方が表彰されています。

 豊田教授の表彰理由は、高速通信用の高集積3次元MMIC(Monolithic Microwave Integrated Circuit)の実用化やミリ波帯アンテナモデルの標準化による高周波帯無線システムの発展に対する貢献です。

 3次元MMICはLSIなどで用いられている多層配線とは異なり、比較的厚い絶縁膜を使うことで高周波伝送線路を3次元的に構成することを可能としています。この技術により、より高集積なMMICが実現できるのみならず、当時は損失の問題で高周波化が難しかったSi半導体の大幅な高周波化も実現し、Si半導体の高周波回路への適用に道筋を付けました。また、トランジスタ配置を固定していても、上部に形成する配線で様々な機能や性能を実現できることから、MMICのセミカスタム化やソフトウェアによる配線の半自動設計化にも発展させました。さらに、60GHz帯WPAN(Wireless Personal Area Network)の標準規格策定にあたっては、産学官連携によるコンソーシアムをオールジャパンで立ち上げ、日本主導で標準化が進められました。豊田教授はアンテナWGのリーダとして標準仕様選定のために必要となるアンテナモデルの提案を行うなどの役割を果たしました。この成果は国際規格IEEE802.15.3cとして標準化され、その後の各種ミリ波帯無線通信システム規格の基盤となりました。

 

〇電波技術協会賞

受賞者      :豊田 一彦 教授(理事・副学長)
受賞理由   :高速通信用の高集積3次元MMICの実用化やミリ波帯アンテナモデルの標準化により高周波帯無線システムの発展に貢献

参考:一般財団法人電波技術協会ホームページ https://reea.or.jp/information/8591/

 

                         電波技術協会の宮本正常務理事(左)と豊田教授(右)

 

用語解説:

*1:MMIC
概ね1GHz以上の高周波のアナログ信号を扱う集積回路であり、トランジスタなどの能動素子とコンデンサやコイルのような受動素子を1つの半導体基板上に形成したもの。

*2:WPAN
スマートフォンとイヤホンをワイヤレスで接続するような、個人で使用する機器同士を接続する無線ネットワーク。

 

【本件に関する問い合わせ先】
佐賀大学理工学部総務
  電話 0952-28-8513

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