中間バンド型太陽電池のホスト材料である ZnTeを用いた太陽電池において世界最高効率を達成

【概要】
理工学部電気電子工学部門のムストファ ムハマド研究員、田中 徹 教授とシンクロトロン光応用研究センターの共同研究グループは、中間バンド型太陽電池のホスト材料であるZnTe(テルル化亜鉛)を用いた太陽電池において、世界最高となる変換効率を達成しました。
【本文】
理工学部電気電子工学部門のムストファ ムハマド研究員ならびに田中 徹 教授と、シンクロトロン光応用研究センターの郭 其新 教授,齊藤 勝彦 助教の共同研究グループは、次世代太陽電池として期待される中間バンド型太陽電池のホスト材料であるZnTe(テルル化亜鉛)を用いた太陽電池において、世界最高となる変換効率を達成しました。
中間バンド型太陽電池は、従来の半導体のバンドギャップ内に新たなバンド(中間バンド)を有する材料を用いる太陽電池であり、中間バンドを介した光吸収により、太陽光の広いスペクトル領域を効率的に利用できることが特徴です。理論計算では、60%を超える高いエネルギー変換効率が期待されています。本学の研究グループでは、材料固有の性質として中間バンドを有するユニークな材料であるマルチバンドギャップ半導体ZnTeOに着目し、研究を進めてきました。2012年には、本材料を用いた中間バンド型太陽電池の発電原理を世界で初めて実証するなど、先駆的な成果を報告しています。
中間バンド型太陽電池の高効率化には、ホスト材料であるZnTeを用いた太陽電池自体の効率向上も不可欠です。このため、本研究では基盤技術としてZnTeのp型電気伝導制御に関する研究を進めてきました。その結果、Zn3P2原料を用いた新たな手法により、高品質かつキャリア濃度制御が可能なp型ZnTe薄膜の成長に成功しました。このp型ZnTeを光吸収層として用いたZnTe太陽電池を試作したところ、擬似太陽光照射下(AM1.5 1sun)において3.7%の変換効率を達成しました。これはSi太陽電池の変換効率と比べると低い値ではあるものの、ワイドギャップを有するZnTe材料を用いた太陽電池としては世界最高の効率です。本研究成果は学術誌Japanese Journal of Applied Physicsに掲載予定です。
題目:Improved conversion efficiency of ZnTe solar cells using high-quality P-doped ZnTe layer grown by molecular beam epitaxy using a cracked Zn3P2 dopant source
著者:Muhamad Mustofa, Katsuhiko Saito, Qixin GUO and Tooru Tanaka
書誌:Japanese Journal of Applied Physics
DOI:10.35848/1347-4065/ae2722

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