医学系研究科博士課程2年生が 日本計算機統計学会「学生研究発表賞」を受賞

佐賀大学大学院医学系研究科博士課程2年 平野 晋吾さんが、日本計算機統計学会 第40回シンポジウムにおいて「学生研究発表賞」を受賞しました。
【受賞者】
医学系研究科博士課程2年 平野 晋吾(ひらの しんご)
【受賞した賞の名称】
学生研究発表賞
【受賞先】
日本計算機統計学会
【賞の概要】
日本計算機統計学会では2006年度に、統計に関わる研究者・専門家を志す学生の育成・奨励を目的として「学生研究発表賞」
(Student Presentation Award) を創設しました。
これは、大会・シンポジウムで優れた論文発表を行った学生会員を、審査により表彰するものです。
【受賞した日】
2026年10月24日
【受賞した研究の題目】
教師付きスパースSoft-Structured主成分分析(S4PCA)
【発表の概要】
予測に役立ち、解釈しやすい高次元データ解析法を提案
S4PCAに関する研究発表が学生発表賞を受賞
医療や脳画像の研究では、数多くの検査項目や画像情報を同時に扱います。しかし、情報が多すぎると、患者さんの予後に関係する重要な特徴を見つけたり、解析結果を分かりやすく説明したりすることが難しくなります。
本発表では、多くの情報を、予後の予測に役立ち、かつ意味を理解しやすい少数のグループに整理する新しいデータ解析法「S4PCA」を提案しました。コンピューター上で作成したデータと脳卒中患者さんのデータを用いて、この方法の有用性を検討しました。
【受賞につながった研究内容】
従来の解析法には、予測に役立つ情報を重視すると、同じ情報が複数のグループに重複して結果を解釈しにくくなる一方、重複を完全になくすと重要な情報まで失われる可能性があるという課題がありました。
今回提案したS4PCAは、必要な情報の共有を残しながら、同じ情報が複数のグループで過剰に繰り返し使われることを抑える方法です。検証の結果、予後に関係する情報を保ちながら、従来法よりも重複の少ない、理解しやすい形にデータを整理できる可能性が示されました。
また、予測結果を一つの数値だけで示すのではなく、予測にどの程度の幅があるかも評価しました。新しい解析法の開発から、コンピューター上での検証、実際の脳卒中データへの応用までを一貫して示した点が評価され、学生発表賞の受賞につながりました。
【その他PRしたい特記事項】
S4PCAは脳画像だけでなく、遺伝子、血液検査、生体信号、病理画像など、多数の項目を扱うさまざまな医療・生命科学研究へ応用できる可能性があります。
医療分野では、予測が正確であることに加えて、「どの情報が結果に関係しているのか」を分かりやすく説明できることが重要です。本研究は、予測に役立つ情報と結果の分かりやすさを両立させ、医療データをより有効に活用することを目指しています。
今後は、より多くの患者さんや複数の医療機関から得られたデータで検証するとともに、脳画像に運動機能、認知機能、年齢などの情報を組み合わせた解析へ発展させる予定です。また、研究者が利用できる解析ソフトウェアとして整備し、医療・生命科学分野での実用化を目指します。

【researchmapのリンク先】
https://researchmap.jp/akawaguchi
【本件に関する問い合わせ先】
佐賀大学 医学部 生物統計学・生物情報学分野
教授 川口 淳
TEL 0952-34-2202
E-mail akawa@cc.saga-u.ac.jp
共同研究者:医学部 准教授 光武 翼


