平成21年新年の挨拶
平成21年1月5日
佐賀大学長 長谷川 照
明けましておめでとうございます。
本年は、法人の仕組み、教育研究の水準、地域への貢献、国際交流の推進など第Ⅰ期中期目標達成の成果を踏まえて、来年度を初年度とする第Ⅱ期中期目標期間における目標の設定とその達成に向けて十分な計画を練り準備しなければなりません。
佐賀大学は、総合大学として地域における高等教育の機会を保障することを使命とし、社会のあらゆる分野で指導力を発揮しうる人材を育成するとともに、地域と共に発展し続ける大学を目指した教育研究活動を展開していくことを基本的な目標としています。この目標を達成するため、佐賀大学憲章、佐賀大学中長期ビジョンに謳われている目指すべき方向を指針として、佐賀大学の特性を踏まえた個性、機能を明確にする以下の取り組みを次期中期目標期間の目標・計画の骨子としたいと考えています。
(教育について)
教育先導大学として、際立つ個性(独創力)と豊かな知性(総合力)を身に付け、現代社会の動向を的確に捉えてリ-ダ-シップを発揮するプロフェッショナルを育成する。
○ 各学問領域における基礎的な学力を修得するとともに社会の諸問題に目を向けて課題を発見し、解決に向けて取り組む姿勢を養うための教育を提供する新たな教養教育システム(全学教育機構(仮称))を創設する。
○ 新しい教養教育システムによる教育を教育課程(学士、修士、博士)に重点的に位置付けた上で各分野の教育課程を編成し、リ-ダ-シップを発揮できるプロフェッショナルを育成する。 〇各専門分野においては、その専門性を深めるとともに、総合大学の利点を活かして他分野まで専門性を広げて、プロフェッショナルとしての学識を確かなものとする。
(研究について)
各分野の基礎的研究を礎にして、佐賀地域独自の研究や社会からの要請に応える佐賀大学ならではの研究を組織的に展開する。
○ 九州・環黄海沿岸地域における「健康・生活」「地域」「環境」「エネルギ-」などに関する特色ある研究を重点的に推し進め、教育機能を付加した研究拠点として育成する。
○ 長期的視点に立った基礎的な研究を保障し育成する。本学の研究施設・プロジェクトは永年に亘る多様な基礎研究を積み上げてきたものである。基礎研究が社会のニ-ズに応える学際的研究に結実するプロセスを本学は幾度となく経験し、熟知している。
○ 以上の二つを実施するために、佐賀大学の研究戦略に基づく組織的な研究活動を推進する体制を整備する。
(地域貢献について)
佐賀の大学として、地域社会の発展を「知」の発信と「人づくり」で支える知的拠点を形成する。
○ 佐賀大学は、佐賀県をはじめ自治体、経済団体などと共に一体となって地域の問題に効果的に取り組むため、事業全体を統括する体制を整備する。
○ 地域医療機関や行政との連携により、住民本位の医療を展開し、安全と安心に応える地域包括医療の発展に寄与するとともに、地域包括医療の拠点として附属病院の整備・再開発をすすめる。
○ エコアクション21に基づく環境に配慮した大学を確立し、環境活動の拠点となる。
(国際貢献について)
これまでの国際交流の実績を踏まえて、アジアを中心に教育研究水準を相互に高めることによりさらに発展させ、大学の国際化を実質化(人、物、知財の流動化)する。
○ 九州・環黄海沿岸地域を中心に、多数の国の多数の大学の間で留学プログラムのネットワ-クを構築し、教育研究拠点の設置と合わせて、教育・研究プログラムを共有する。
○ 我が国の国際化の新段階となる「留学生30万人計画」を視野に入れ、計画の背景となるアジアの国々のニ-ズに応えつつ、質の高い留学生を受け入れることの出来る環境(入学、教育・生活、就職)を整備する。
以上、次期中期目標・計画における教育、研究、地域貢献、国際貢献の骨子について私の考えを述べさせていただきました。
最後に、次期中期目標・計画の策定作業に際して、目標・計画は具体的にスピ-ド感をもって取り組むものであること、そして目標計画を実効性あるものにするために、教職員はもとより、学生や社会から幅広い意見を収集し、基本的な事項に対する認識を共有化することを強調しておきたい。今日の国立大学を巡る状況を考えると、本年は佐賀大学の将来、存亡を左右する一年となるかも知れません。佐賀大学の未来を開く中長期ビジョンの実現に向けて一歩踏み出しましょう。
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