平成24年度国立大学法人佐賀大学入学式告辞
入学式を迎えられました新入生の皆さん、大学院へ進学の皆さん、おめでとうございます。本日ご臨席いただきましたご家族並びに関係者の皆様、おめでとうございます。
このたび晴れて、佐賀大学に入学された皆さんは、本日から大学生としての第1歩を踏み出すことになります。佐賀大学は5つの学部からなる総合大学であり、これから異なる学部の同級生や先輩たちとも交流をもつことができます。佐賀大学にはこれまで皆さんが過ごしてきた高校とは異なり、様々な出身地の学生のみならず、300名近い留学生も学んでおり、言わば国際社会でもあります。
一方、このたび大学院に進学される皆さんはより高度な知識と技能を身につけ、社会のより困難な課題に取り組むべく研鑽していただくことになります。これまで以上の、より高いレベルでの自立した個人としての自覚が求められます。
また、母国を離れこれから本学で学ばれる留学生の皆さんは、言葉や習慣の異なった困難な環境の中で研鑽されますことを期待しております。佐賀での大学生活が一生の思い出となり、佐賀が第2の故郷となることを念願しております。
留学生の皆さんはもとより、今回初めて自宅を離れ、一人暮らしを始める新入生の皆さんには健康や生活全般にわたって自覚ある自己管理をお願いいたします。
佐賀大学の歴史は明治17年に創設された佐賀師範学校まで遡ることができます。その後大正9年に設立された旧制佐賀高校、さらには大正14年に設立された佐賀県立佐賀実業補習学校教員養成所を起源とする佐賀青年師範学校の3つの学校が統合する形で、昭和24年5月31日に旧佐賀大学が、昭和53年10月1日には旧佐賀医科大学が設立されました。平成15年10月1日には旧佐賀大学と旧佐賀医科大学が統合し、現在の5学部からなる総合大学としての佐賀大学が誕生しました。従いましてキャンパスは本庄地区と鍋島地区に分かれています。平成16年4月1日には全ての国立大学が法人化され、私たちの大学の正式名称は国立大学法人佐賀大学となっています。
さて、昨年3月11日に発生いたしました東日本大震災では地震と津波による壊滅的な被害、約1万9千人に上る犠牲者・行方不明者を数え、原発事故の影響により未だ約34万人の方々が避難生活を続けています。このように未だ大きな爪痕を残したこの大震災はようやく復興が始まろうとしています。このような国難ともいうべき状況の中、私たち佐賀大学では、今ここに入学式が挙行されています。私たちの全てが犠牲者や被害を受けた東日本の町々に思いを巡らせたとき、犠牲者のご冥福を祈るとともに一日も早い復興を願わずにはおられません。
大学の使命は学術の中心として、高い教養と専門能力を培い、深く真理を探求して新たな知見を創造し、社会の発展に寄与することです。佐賀大学では、「基礎的及び専門的な知識と技能に基づいて課題を発見し解決する能力を培い、個人として生涯にわたって成長し、社会の持続的発展を支える人材を養成する」ことを理念とし、教育と様々な学生支援に取り組んでおります。すなわち、学修面のみならず日頃の生活や就職面などの学生支援に重点を置いた面倒見の良い教育を目指しています。
大学とは「生涯にわたって自ら学ぶ姿勢」を身に付ける場であると言えます。学部学生として入学してこられた皆さんにぜひお願いしたいことは自分の専攻分野をしっかり学修することは勿論ですが、異なる分野にもチャレンジして欲しいと思います。サークル活動や地域における様々なボランティア活動にも参加し、他の学部の学生や先輩たち、留学生や地域の皆さんとも交流の場を持つことは生涯の財産となります。もうひとつお願いしたいことは読書です。受験勉強から解放された今が読書のまたとないチャンスであり、生涯の書と出会う貴重な時期です。
大学院に進学され専門を極めるべく研究生活に踏み出す皆さんには、社会との関わりの中でより深い思考と実践力を身につけていていただきたいと考えています。これから佐賀大学で学ぶ皆さんには知識や技能に併せて幅広く深い人間力を養い、将来様々な分野においてリーダーとして活躍していただきたいと思います。
私たち佐賀大学は「地域と共に未来に向けて発展し続ける大学」を目指して、教職員と学生が一体となった学生中心の大学を目指しています。これからの数年間が皆さんの人生にとって輝ける時間でありますよう、私たち佐賀大学は全ての学生の皆さんに対して、最大限の支援とエールを送るべく教職員一丸となって取り組んでいまいります。最後に私どもの佐賀大学を選んでいただき、晴れて本日入学式を迎えることができた全ての皆さんと皆さんを支えてくださったご家族、関係者の皆様に改めてお祝いと御礼を申し上げまして、入学式の告辞とさせていただきます。
平成24年4月3日
国立大学法人佐賀大学長 佛淵 孝夫
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