平成29年度佐賀大学9月期学位授与式式辞
ただいま、学士、修士及び博士の学位を授与された皆さん、佐賀大学を代表してお祝いを申し上げます。
特に留学生の皆さんは、母国を遠く離れ、言葉や習慣の異なる困難な環境の中でも真摯に勉学に励み、見事学位を取得されたことに深く敬意を表します。
また、これまで皆さんを多方面で支えてこられたご家族の皆様にも、心からお祝いとお礼を申し上げたいと思います。
本日、本学を卒業・修了する皆さんは、就職や進学などそれぞれ新たな一歩を踏み出すことになりますが、皆さんを取り巻く現代社会は、「不確実性の時代」という言葉に象徴されるように、激動の時代、変化し続ける時代と言われています。
IOTに代表される情報通信技術の発達、AIの進歩は、私たちが経験したことのない速さを伴い、実生活のあらゆるシーンに応用され始めました。私たちが子供のころに夢見た未来の世界が現実のものとなり、この先も私たちの想像を超える技術革新がなされることでしょう。
米国の経営学者ピーター・ドラッカーは「未来についてわかっている唯一のことは、今とは違うということだ。未来を予測する最良の方法は、自ら未来を創ることだ。」という言葉を残していますが、皆さんにはこれまでの大学生活で培った知識・経験を携え、社会の変化に柔軟に対応し、新たなステージで活躍されることを期待しています。
さて、皆さんの中にはこれから佐賀を離れ、日本全国で活躍される方も多いと思いますが、本学が毎年開催するホームカミングデーの案内が届いた際には、是非旧友と声を掛け合い、母校に足を運んでいただければと思います。
また、2012年ベトナムのハノイを皮切りに、中国、韓国、スリランカ、インドネシア、タイと回を重ねている海外版ホームカミングデーは、次回、北京での開催を予定しています。将来、留学生の皆さんをはじめ、海外で活躍する皆さんに再会できることを楽しみにしています。
本学はこれからも地域における知の拠点として、教職員と在学生一同、地域に求められる大学づくりを進めていきます。今後は佐賀大学同窓会の一員として、本学並びに後輩たちを温かく見守っていただきたいと思います。
最後になりますが、皆さんが学んだここ佐賀の地は、150年前に日本の近代化を牽引した偉人を生み出した歴史ある土地です。幕末から明治維新期という混迷の時代を駆け抜けた先人たちと同様、一人一人の未来を切り開くべく、生涯にわたって見識を深め、個性を磨き、自らを高める努力を継続されることを祈念しまして、式辞といたします。
本日は誠におめでとうございます。
平成29年9月22日 国立大学法人佐賀大学長 宮﨑 耕治