全国初、県の助成での原発性免疫不全症スクリーニング検査開始

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 原発性免疫不全症(以下、PIDと略します)とは、生まれつき病原体に対する抵抗力が弱い症候群で、空気中や水、食べ物の中のカビや雑菌の感染症に罹患し、無治療では1歳まで生きることができません。また、感染を予防するためのワクチンを接種することで、逆にその病気にかかり、重篤な症状が出て死につながることもあります。この恐ろしい病気であるP I Dは小児科専門医でも診断が難しく、治療が遅れることもあります。

 

 この度、佐賀大学医学部附属病院小児科、垣内俊彦講師を中心とした研究グループは、佐賀大学医学部附属病院、国立病院機構佐賀病院、唐津赤十字病院、佐賀県医療センター好生館、国立病院機構嬉野医療センターで出生した全ての新生児を対象に、ほぼ全ての新生児が産まれてすぐに受けるタンデムマス検査の残りの血液を利用して、このP I Dに罹患しているかどうかの検査を、実施いたします。

 

 今回の研究は、令和3年4月から開始となり、費用は全額、佐賀県からの公費助成を受けて実施しますので、保護者の費用負担はありません。また、この検査自体を実施している自治体は全国でも大変珍しく、また費用を自治体自らが助成して実施するのは、全国で初めてであり、大変注目されています。

 

 令和2年10月に、国はロタウイルスワクチンを定期接種化しましたが、このP I Dの乳児に、知らず知らずのうちに接種した場合、ワクチンに含まれるロタウイルスが影響し、重篤な症状や死にいたるケースも想定されます。その意味でも、ワクチン接種前にP I Dの有無を正確にスクリーニングすることは大変意味のあることであり、今回の取り組みが将来、佐賀県だけではなく、全国に拡大していくことが予想され、大変重要なかつ先進的な取り組みであると評価されています。

 

 

【本件に関する問い合わせ先】

  〒849-8501 佐賀市鍋島5-1-1

  佐賀大学医学部附属病院小児科 講師  垣内 俊彦

  電話0952-34-2314      FAX 0952-34-2064

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