感性に届く防災教材の開発、始動 〜AI×絵本で拓く行動変容支援、「ミルート防災連携エンジン」始動〜

 

【事業の概要】
 災害支援の現場経験を持つ小児看護学・鈴木智惠子教授を代表とする研究グループ(田仲浩平、米満潔、菊原美緒、大坪美由紀)は、株式会社NEVELL と合同会社KAORUとの共同で、災害時における行動変容支援を目的としたAI 連携型防災教材「ミルート防災連携エンジン」の開発を本格始動いたしました。
 このプロジェクトでは、「避難しなければならない」という命令型の防災から、「なぜ避難するのか」「避難にどんな意味があるのか」を住民一人ひとりの感性に訴えかける新しいアプローチを提案します。特に、子ども、高齢者、外国人など、災害弱者に対しても分かりやすく、安心して行動できる防災支援の提供を目指します。

【プロジェクトの概要と技術構成】
 本教材は、以下のような技術要素を統合し、リアルタイムに「避難情報」「避難ルート」「感情的理解」を支援することが特徴です。

 ● リアルタイム気象情報連携(気象庁API)
  大雨警報、台風進路、洪水や土砂災害情報などを即時取得します。
 ● 避難ルート自動生成(MiruRoute × 国交省API またはOSM)
  現在地から災害状況に応じた最適な避難所までのルートを、地図上に自動で描画します。
 ● ストーリー連携生成(MiruEhon × GPT)
  災害状況に応じ、「なぜ避難するのか」を物語形式で自動生成。対象者の年齢や地域に合わせたナラティブ(語り)を構成します。
 ● 音声読み上げ・多言語対応(MiruVoice)
  高齢者や外国人でも理解できるよう、音声読み上げ機能や多言語対応を備えています。

 

【活用シーンと期待される効果】
 ● 平時の防災訓練において
  地域に即した避難ルート+物語生成により、実践的かつ記憶に残る防災教育が可能になります。
 ● 学校・保育施設での利用
  年齢や発達段階に応じてストーリーを最適化し、子どもたちの理解と安心感を支援します。
 ● 実際の災害時には
  スマートフォンでのルート確認+音声読み聞かせにより、不安の軽減と避難の促進が期待されます。

【技術連携・実装準備中の主なAPI】
 ● 気象庁防災情報XML フィード
 ● 国交省「重ねるハザードマップAPI」
 ● RESAS/L-Alert 避難所データベース
 ● 地図描画:Leaflet + OpenStreetMap

【今後の展望】
 本プロジェクトは、今後、自治体・教育機関・医療福祉施設との連携を視野に入れ、全国への展開と地域ごとのカスタマイズを進めてまいります。AI×看護×防災の融合により、「命を守る行動」の背後にある「感情」や「意味」に寄り添う、新たな防災教育モデルを目指します。

■ 本件に関するお問い合わせ
 担当:鈴木智惠子(教授・小児看護学)chiekosu@cc.saga-u.ac.jp
 協力:NEVELL 株式会社、合同会社KAORU
 連絡先:0952-34-2555
 リリース発行日:2025 年6 月

 本プロジェクトは、AI 技術と看護・教育の現場経験を融合した、かつてない感性型防災教材として、進行中です。

“避難を命令で終わらせない”——感性に寄り添う未来の防災へ。
 感性と技術を結び、未来の防災教育を拓く「ミルート防災連携エンジン」にご期待ください。

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