心房細動患者における心臓アミロイドーシスの頻度と臨床像が明らかに

【研究者】
 代表者: 山口尊則
 分担者や協力者: 多数

1st author 新里広大
Corresponding author 山口尊則
Last author 野出孝一

【研究成果の概要】
 心房細動は、国内で約100万人が罹患する代表的な不整脈で、心不全や脳梗塞の原因にもなります。近年、心不全との関連が指摘されている「心臓アミロイドーシス」は、早期発見と治療が重要な病気です。
 今回、心房細動の患者さんを対象に行った研究により、約7%の方に、病気の初期段階にある「潜在的な心臓アミロイドーシス」が存在することを突き止めました。さらに、加齢や心臓の構造的な変化に伴い、その割合は20〜40%に上昇する可能性があることも明らかになりました。
 心臓アミロイドーシスの患者さんには、カテーテル治療だけでなく、薬による適切な治療が求められます。心房細動患者におけるアミロイドーシスの頻度と特徴を明らかにした本研究は、世界でも初めてのものであり、今後の診療や治療方針に大きな影響を与える成果といえます。

【研究成果の公表媒体(論文や学会など)】
 研究成果は、心臓病分野で最も権威ある学術誌の一つである European Heart Journal に掲載され、国際的にも高い注目を集めています。
 https://doi.org/10.1093/eurheartj/ehaf332

【今後の展開】
 本研究は、佐賀大学が開発した「心房生検」という、心房からごく小さな組織を採取して調べる独自の技術に基づいています。この技術はすでに高い安全性が確認されておりますが、今後は、心筋を採取せずに診断できる新たな検査法の開発や、カテーテル治療と薬物療法を組み合わせた新しい治療法の効果を検証する応用研究を進めていく予定です。

【その他PRしたい特記事項】
 本研究の実施にあたり、ご協力いただいた多くの患者の皆さまをはじめ、診療・研究に携わってくださった医療関係者、研究機関、そして本研究チームのメンバーの尽力に深く感謝申し上げます。皆さまのご支援により、本研究成果が実現いたしました。

【researchmapのリンク先】
https://researchmap.jp/YamaguchiTakanori/?lang=japanese

 

【本件に関する問い合わせ先】
 佐賀大学医学部循環器内科 山口尊則
 takanori@cc.saga-u.ac.jp

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