佐賀大学が中心となって開発をすすめている再生医療の新しい手法「剣山メソッド」を出版
本学医学部附属再生医学研究センター 中山 功一 センター長/教授が中心となって開発をすすめているバイオ3Dプリンターの基盤技術となる 「剣山メソッド(Kenzan method)」の研究成果をまとめた初めての本 “Kenzan Method for Scaffold-Free Biofabrication“ (Springer, 2021年1月23日 電子版) が世界で同時に出版されました。
佐賀大学医学部再生医学研究センターが中心となって開発および応用が進んでいるバイオ3Dプリンターの新しい技術「剣山メソッド」は文字通り生け花の剣山に似た形状の微細な針が並んだ特殊なデバイスに細胞が凝集してできた細胞塊をロボットが刺していくことで、外科的移植に用いる再生臓器を作っています。この研究はすでに数多くの研究者に用いられており、佐賀大学附属病院では血管再生の臨床研究、京都大学附属病院では末梢神経再生の医師主導治験が開始されており、他にもさまざまな臓器の再生を目指した研究がなされています。
この度、世界的に著名な学術誌“Nature”などを出版しているSpringer Nature社からの依頼で、この剣山メソッドの発明からバイオ3Dプリンターの開発の経緯、この技術を応用したさまざまな臓器再生の研究の現状などをまとめた本をこのバイオ3Dプリンターを利用している研究者と共同で国内外で初めて出版することになりました。
本書の概要
中山 功一 編
Kenzan Method for Scaffold-Free Biofabrication
192頁 2021年1月刊行(電子版)2月下旬予定(ハードカバー)
出版社 Springer Nature社
1. Front Matter
2. Development of a Scaffold-Free 3D Biofabrication System “Kenzan Method”
3. Position of the Kenzan Method in the Space-Time of Tissue Engineering
4. Development of the Bio 3D Printer “Regenova®,” the Robotic System
5. Development of a Compact Bio 3D Printer, “S-PIKE®”
6. Scaffold-Free Biofabrication for Articular Cartilage (and Subchondral Bone)
7. Scaffold-Free Biofabrication of Liver
8. Artificial Trachea: Past, Present, and Future
9. Cardiac Tissue Creation with the Kenzan Method
10 .Scaffold-Free Autologous Cell-Based Vascular Graft for Clinical Application
11. Peripheral Nerve Regeneration Using Bio 3D Nerve Conduits
12. Regeneration of the Diaphragm
13. Bio-3D Printed Organs as Drug Testing Tools
14. Biomaterial-Related Surgical Site Infection: Anti-infectious Metal Coating on Biomaterials
【本件に関する問い合わせ先】
佐賀大学 医学部附属再生医学研究センター