イソフロリドシドが海苔の“甘味成分”である事を発見

【研究者】
代表者:光武 進(佐賀大学農学部准教授)
分担者や協力者:濱 洋一郎(佐賀大学農学部教授)

【研究成果の概要】
海苔(スサビノリ)には、ガラクトースにグリセロールが結合したフロリドシド類が含まれる事が知られていました。代表者らは、フロリドシド類の中でも海苔に多量に含まれるイソフロリドシドが、ヒト甘味受容体に作用する事を分子レベルではじめて明らかにしました。

【研究成果の公表媒体(論文や学会など)】
Food Bioscience 50 (2022) 102186 (11月9日公開)
Red algae-derived isofloridoside activates the sweet taste receptor T1R2/T1R3
Miku Akishino, Yuko Aoki, Hajime Baba, Makio Asakawa, Yoichiro Hama, Susumu Mitsutake

論文はこちらをご覧ください。

【今後の展開】
イソフロリドシドは100g乾海苔中に少なくとも3g前後含まれます。また、小腸で消化吸収されない事が報告されており、生体のエネルギー源となりにくい事が予想されます。このことから、イソフロリドシドは、天然のノンカロリー甘味料として利用できる可能性があります。イソフロリドシドは、廃棄海苔にも含まれることから、本発見は、廃棄海苔の有効活用に新たなストラテジーを加えるもしれません。一方、代表者らは、イソフロリドシドが味蕾だけではなく、小腸内分泌細胞上の甘味受容体に作用しGLP-1と呼ばれる消化管ホルモンの分泌を促す事も明らかにしています。GLP-1は、抗肥満/抗糖尿病に働くホルモンとして注目されています。このことから、イソフロリドシドは単にノンカロリー甘味料としての利用にとどまらず、もっと積極的に抗肥満/抗糖尿病に働く機能性分子としての可能性を持つと考えられます。

【教員活動DBのリンク先】
https://research.dl.saga-u.ac.jp/profile/ja.32fede3ca7c10a1f59c123490551be02.html

 

【本件に関する問い合わせ先】
 佐賀大学農学部准教授 光武 進
 E-mail: susumumi@cc.saga-u.ac.jp

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