理工学部数理・情報部門の花田 英輔 教授が策定に関わった JIS T 1022「病院電気設備の安全基準」の改正版が発行

【概要】
 理工学部数理・情報部門の花田 英輔 教授が策定に関わったJIS T 1022「病院電気設備の安全基準」の改正版が、2023年12月20日(水)に発行されました。この規格は、医療機関における、原則として医療機器向けの非常電源、非接地配線および接地設備に関するものです。理工学部数理・情報部門の花田教授は素案作成委員会の副委員長および素案作成分科会の分科会の主査を務め、改定作業の実質的な責任者として寄与しました。

【本文】
 日本産業規格(JIS)は、主に工業分野の国内標準を定めています。このうちJIS T 1022「病院電気設備の安全基準」は、医療機関における非常電源、非接地電源および接地設備に関する規格です。この規格は1982年に最初の版が発行されました。その後、数回の改定を経て、2018年度改正版が最新版となっていましたが、技術の進歩及び現場の使用実態を踏まえ、この度、改正されることとなりました。2021年9月に作業が開始され、改正版は2023年12月20日(水)に新たにJIS T 1022:2023として発行されました。理工学部数理・情報部門の花田 英輔 教授はこの改定作業において、素案作成委員会の副委員長と素案作成分科会の主査を務め、改定作業の実質的な責任者として活動しました。
 2018年版からの主な改正点は次のとおりです。

 1)電流監視装置と過電流警報装置に必要な要件の整備
 2)現状の使用実態等を踏まえ、非常電源のうち「特別非常電源」を廃止
 3)完成検査や定期検査の適用等の見直し

 また、JIS本文と共に解説書も改定され、主に臨床工学的な視点からの追記・見直しが行われました。理工学部数理・情報部門の花田教授は解説書の改定作業においても、主導的な立場で寄与する共に、一部を執筆しました。
 現代医療は電気を動力源とする各種の医療機器に支えられています。また、手術室における安全を保つためには非接地配線が重要です。今後、新しいJISに従って、これらの機器がより安定的かつ安全に動作する基盤が整備され、患者及び医療従事者の安全が向上することが期待されます。
 理工学部数理・情報部門の花田教授は本学赴任前に2つの大学病院医療情報部に長年勤務しており、病院内における情報システムおよびネットワーク(特に無線通信)についての研究業績が豊富です。また、どちらの大学病院においても再開発を経験し、日本医療福祉設備協会の理事としても、病院内の各種設備と病院建築の関係について、国内外で研究発表も複数行っています。

 

【本件に関する問い合わせ先】
 佐賀大学理工学部総務
 電話 0952-28-8513

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