理工学部での半導体人材育成を強化:全分野学生を対象とした半導体の導入科目「半導体概論」を令和6年度より開講します

【概要】
 理工学部では、令和6年度から全分野の学生を対象に、「理工特別セミナー(半導体概論)」を開講します。この講義では、半導体の概要や応用、関連産業や業界情報を網羅的に学びます。また、半導体関連企業・機関から実務者を講師(ゲストスピーカー)に迎え、広い視点から講義を行うことで、半導体の魅力や将来のキャリア形成に役立つ貴重な機会を提供することを目指しています。

【本文】
 半導体は、AI・5G・自動運転・ロボティクス・DX・ビッグデータ・スマートシティ等を活用した持続可能な社会を創造する重要基盤であり、安全保障にも直結する戦略的な技術であることから、わが国では国家事業として半導体産業基盤の強化に取り組んでいます。大学等の教育機関においては、半導体関連の人材育成の強化が求められています。
 経済産業省九州経済産業局が中心となり設立された「九州半導体人材育成等コンソーシアム」の調査によれば、九州地域の半導体産業では、年間1,000人程度の人材が不足していると見込まれ、電気・電子分野だけでなく、情報、機械、化学、材料、財務、経営など多岐にわたる専門知識を持つ人材が必要とされています。これは半導体を使った回路を製造するためには、製造のための機械装置(機械、電気)、製造に必要な材料(化学)、製造で得られる大量のデータの処理(情報、数理)など、様々な知識が必要となります。このため、多様な分野の学生に半導体の知識と興味を持ってもらうことが重要です。
 この背景を踏まえ、理工学部では令和6年度から、全分野の学生を対象に、学部共通基礎科目(導入科目)として「理工特別セミナー(半導体概論)」を新設し、開講します。本学ではこれまで、半導体の基礎や応用に関する多くの専門科目が電気・電子工学に関連するコースで開講されてきましたが、半導体の概要や応用、関連産業等について幅広く網羅的な知識を得ることを目的とした導入的な科目は開講されていませんでした。
 本科目では、「九州半導体人材育成等コンソーシアム」、佐賀県で設立された「さが半導体フォーラム」、九州半導体・デジタルイノベーション協議会(SIIQ)と連携し、九州・佐賀県内の半導体関連企業・機関からゲストスピーカーとしてご登壇いただきます。半導体産業に携わる実務者の観点から、半導体を作り上げるために必要なウェハ、設計、製造、テスト等の一連の流れを俯瞰するとともに、主な半導体デバイス(CMOSセンサ、パワー半導体、アナログデバイスなど)や半導体製造に欠かせないプロセス技術等の概要や最近のトレンドなどを横断的に幅広く知ることを目的としております。講師の方の生の声を聴くことで、半導体の魅力や将来性を知るきっかけとなると考えています。
 以下に理工学部における半導体履修モデルを示します。本科目の履修により半導体に興味を持った学生は、さらに、半導体の基礎やデバイス、応用等を学ぶ専門科目を履修し、より深い知識を獲得することが可能です。将来の進路を考える上でも、この導入科目が良い機会となるので、多くの学生の履修を期待しています。

 

【本件に関する問い合わせ先】
 佐賀大学理工学部総務
 電話 0952-28-8513

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