平成18年度国立大学法人佐賀大学入学式告辞
文化教育学部 | 286名 |
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経済学部 | 307名 |
医学部 | 166名 |
理工学部 | 548名 |
農学部 | 166名 |
計 | 1,473名 |
新入生の皆さんご入学おめでとうございます。
また、新入生のご両親、保護者の方々さぞお喜びのこととお察しいたします。
教育学研究科 | 49名 |
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経済学研究科 | 16名 |
医学系研究科 | 64名 |
工学系研究科 | 239名 |
農学研究科 | 37名 |
計 | 405名 |
大学院に進学され学問を究めようとする皆さんにお祝いと敬意を表します。
はじめて大学に入学された皆さんは、家族から離れ、あるいは一人前と認められ、これまでとは違った環境のなかで生活を送ることになります。皆さんの期待に満ちた気持ちが伝わってまいります。大学は、様々な年齢、国籍の人々で構成される国際社会です。皆さんの生活環境は一回り大きくなり、自ら判断を迫られる、うれしい機会も増えてくるでしょう。
二年前に佐賀大学は法人化され、新たな佐賀大学は二つの目的を定めました。一つ目は「大学の教育研究に対する国民の要請にこたえるとともに、わが国の高等教育及び学術研究の発展に寄与する」とした佐賀大学の設置者としての国立大学法人佐賀大学の目的です。二つ目は、「豊かな教養と深い専門知識をいかして社会で自立できる個人を育成するとともに、学術的、文化的貢献を果たすことにより、地域社会及び国際社会の発展に寄与する」と佐賀大学学則の目的に定められ、教育・研究活動の目指すところを明らかにしたものです。
この二つの目的に沿って、皆さんは、次世代の後継者として勉学に励み、また大学の構成員の一人として地域社会や国際社会に強い興味と関心を持ち互いに連携することを期待されています。 これからの数ヶ月、皆さんはこれまでにない自由を満喫する一時を過ごします。ゆっくりと自らの将来を考えることが出来ます。皆さんが社会で自立したときのイメ-ジを描いてください。そこから人生の設計に向けてさらにイメ-ジを膨らませてください。大学に入学して、何から始めるべきかが見えてくるでしょう。大学在学中は、折に触れ自らを解放してこのイメ-ジ作りを続けることをお勧めします。大学は、皆さんがそれぞれ目的を持って活き活きと大学生活を送るために、如何なる支援も厭いません。
20世紀は科学技術が社会を引っ張ってきました。とくに情報・通信技術の発展は目覚しく、21世紀の政治、経済をはじめ社会活動は大きく変動する様相を示しています。大量の情報で満ち溢れた情報化社会に適した人材の養成が、今求められています。社会が大きく変貌するとき、教育の改革から始まるのが常道です。21世紀は教育が社会を導く時代と考えたい。佐賀大学はそれに相応しい教育を展望しています。皆さんは未来の情報化社会を切り開く金の卵なのです。
佐賀大学は、有明海の再生、環境保全に向けて「有明海総合研究プロジェクト」を実施しています。このプロジェクトは自然科学、人文科学、社会科学の研究者一同が会し「豊饒の海」と言われた有明海を復元する総合的な研究です。環境問題は現代社会が抱える典型的な課題です。この課題は科学のあり方、方法論に問題を投げかけています。「知識のための科学」と「社会のための科学」のバランスが論議されています。人類と自然の調和のとれた営みを続けるために、微妙なバランス感覚を備えた科学者であらねばなりません。これから専門を深め研究に踏み出す大学院生の皆さんは、社会の動向を視野におきながら研究を始めてください。
最後に、佐賀大学は、
٠ 役職員と学生の皆さんが学問の府として誇りの持てる大学(学の城)、
٠ 年齢、性別、国籍、宗教の違いを超える国際的に開かれた大学(和の城)、
٠ 地域の文化をバネに新たな文明を創造する大学(智の城)、そして
٠ 佐賀の県民、市民が誇りとする大学(人は城)、でありたいと願っています。
平成18年4月5日
佐賀大学長 長谷川 照
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