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長谷川学長 2期目の抱負を語る

 

~「学(まなび)の城」「和(へいわ)の城」「智(ちえ)の城」でありたい~

 Q1.1期目では、新生佐賀大学の誕生、大学の法人化と大きな波を経験されてこられたわけですが、最も苦労されたのは、どういう点ですか?

第1期では、「ソフト・ランディング」を指導原理として経営・運営を進めてまいりましたが、実は経験のないものが多く、「ハ-ド・ランディング」の連続でした。

まず、統合の問題です。佐賀大学が「2つの大学から構成されている」から「5つの学部から構成されている」と実感出来るには時間が必要です。理工学部も長い間「理・工学部」でした。文化教育学部も苦労されている最中と推察されます。しかし、大学が法人化という大改革に突入している現在、悠長に構えてはいられません。中期目標の期間には名実共に新生佐賀大学に生まれ変わらねばなりません。

法人化後の最初の「ハ-ド・ランディング」は「予算編成」でした。従来、「予算配分」は教育と研究の現状を維持し充実させるものであり、新しい教育と研究は「概算要求」として文部科学省に要求してきました。「予算編成」は「予算配分」と「概算要求」の二つを含むものと考えました。編成と配分の違いはここにあります。経営と運営の違いと言ってもよいでしょう。大学改革推進経費と学内COEは全学および各学部のそれぞれ新しい教育研究への挑戦に当てられた経費です。

次の「ハ-ド・ランディング」は特別教育研究支援経費の要求です。従来の概算要求に対応していますが性格のまったく異なる内容のものです。行政の効率化を促す運営費交付金の毎年1%減を補填する競争的資金であること、継続性の保証されない短期的な資金であること、さらに学部横断的事業あるいは外部との連携事業に対する事業である事などです。とくに他大学にない特色がある事業で且つ実績が要求されます。そして何よりも法人の主たる財源である運営費交付金の増となる競争的資金です。どのような支援事業を要求するか、役員会の初めての課題でした。

決算もまた「ハ-ド・ランディング」で今までにない財務諸表の作成作業とその見方に苦労しました。大学の主たる業務である教育と研究の全てに対して財務諸表に収益を乗せることは無理です。また単年度決算の運営費交付金では長期の財政計画を立てるは出来ません。企業経営と大きく異なる上に前例のない「国立大学法人」の財務諸表の作成にはプロの会計士も戸惑っています。

 Q2.学長ご自身、1期目を振り返って、どのような成果を出したと思われますか?

法人化の制度は成果主義に基づいて設計され、その運用もまた成果主義で貫かれています。大学に企業と同じような成果主義を導入することは不可能ですが、成果主義は目標と計画を抜きにしては考えられません。大学に相応しい中期目標計画の作成が極めて重要であることを改めて認識しました。さて、その成果ですが、平成16年度の佐賀大学の法人の業務を対象とした活動の成果は「平成16事業年度報告書」に纏められ文部科学省の大学評価委員会の評価を受けたところです。 http://www.saga-u.ac.jp/hyoka/gakugai/H16hyouketsuka.pdf)
教育研究の評価は毎年行われませんが、中期年次計画の進捗状況は詳細に亘って評価室に集約されています。評価の結果も重要なことですが、膨大な年次計画の点検作業を完成させたことも大きな成果です。目標と計画の設定とその進捗状況の点検こそ成果主義の真骨頂です。成果主義に対する意識改革の第一歩を踏み出したと思っています。

広報誌『かちがらす』第2号で佐賀大学の4つの挑戦を紹介しました。挑戦は着実に成果を挙げています。

国立大学法人は文部科学省の担っていた役割を代わって担うようになりました。従来科学技術立国の下で抑制されてきた文系諸分野を開放する緒に就くことが出来たと思っています。国際貢献推進室は、諸外国の大学を駆け巡り、デュアル・ディグリー制度を内容とする学術交流を広げました。将来、文系を中心に据えた国際学部を構想するときの礎を築いています。また、小城鍋島文庫を取り上げて本学における文系基礎学確立の狼煙を揚げました。来年、地域学歴史文化研究センタ-が発足を目指しています。佐賀地域には古文書、古漢籍が豊富に存在しています。この研究センタ-から、多くの新たな発見、知見が世界に発信されるでしょう。

最近複数の大学外の方から「佐賀大学の『露出』が多くなりましたね」と言われました。はじめは「何か悪いことが露見したのか」と心配しましたが、露出とは新聞、テレビ等で記事にされ「佐賀大学の存在感が出てきた」という意味とのことでした。「広報」の役割、目的を再認識しました。本学の広報室は法人化後発足してまだ間もないですが、その活動の成果-外に向けては佐賀大学の存在感を与え、内に向けては佐賀大学に誇りを持たせる-は十分に評価できます。

 Q3.今年度の授業料に関して伺います。佐賀大学は、授業料の据え置きを全国の国立大学の中で最初に打ち出しました。また、全学的な据え置きを決定したのは、唯一佐賀大学だけです。組織のトップとして、大変な決断が必要だったのではないでしょうか?

 私は、学部は私立大学で、大学院は国立大学で学びました。私の研究分野は、学部の卒業研究から始まり大学院で博士前期、博士後期の課程でテ-マを絞り、佐賀大学で博士論文に辿り着いて、原子核理論であると一人前の顔をして今日に至っています。教育を受けている間、先生方の教育の熱意に授業料の違いを感じたことはありませんでした。授業料は学生の生活、親の生活に影響を与えるものです。次代を託する若者の教育にかかる費用は公費と思いたい。少なくとも授業料の値上げを考えるときの原点はここに定めたいものです。

役員会には「授業料を値上げしない」方針で了解を求めました。理由は二つ、一つは平成17年度の運営費交付金が増加していたことです。授業料の値上げについて国民の支持を得ることは難しい。二つ目の理由は、国立大学法人の授業料については標準額の10%以内で各法人が自由に定めることが出来ることになっている。全ての法人が横並びで同調することは「法人化の精神」に反するのではないか。若干の議論はありましたが、理事の皆さんの理解を得ることが出来ました。感謝しています。この段階で、私は値上げをしない国立大学法人は10大学以上あると思っていました。

 Q4.佐賀大学長として2期目を迎えられたわけですが、これから佐賀大学をどのように持っていきたいと思われますか?

第一は佐賀大学憲章の制定と考えています。法人化の一年目は、何はともあれ順調にスタ-ト出来ることだけを考えてきました。二年目にあたり「佐賀大学はどの様にありたいか」を考える時期に来ていると思います。
佐賀大学は、
・佐賀大学の役職員、学生が学問の府としての誇りの持てる大学(学の城)
・年齢、性別、国籍、宗教の違いをのりこえる国際的に開かれた大学(和の城)
・地域の文化をバネに新たな文明を創造する大学(智の城)
そして、佐賀の県民、市民が誇りとする大学(城は人なり)でありたいと願っています。

第二は本学文系分野の改組です。私は前記の広報誌2号で「科学技術立国・経済優先のもとで抑圧されてきた文系諸分野を解放する。解放する鍵は国際化と情報技術の活用である。」と述べてきました。そのために、文系基礎学の育成、デュアル・ディグリープログラムの締結、英語教育の充実、教員養成カリキュラムの研究など準備を進めてまいりました。文系諸分野の国際化である「国際学部構想」を具体的に描く段階にきていると思っています。

第三は教育環境の整備です。佐賀大学は教育先導大学として各部局で教育改革に取り組んでいますが、このところ文部科学省の教育支援プログラムである特色GP、現代GP、大学院GP、教員養成GP,医療GP等の公募を巡って全国的な高等教育の開発コンペが目白押しです。本学では高等教育開発センタ-を地域に学ぶ新しい教育の拠点として位置づけています。平成16年度は教員養成カリキュラムの開発に取り組んできました。今後は多岐にわたる教育プログラムの開発に守備範囲を広げる必要があります。ハ-ド面については経営協議会外部委員から「大学構内が汚い」との強い指摘がありました。大学構内を若者の活気のあるまち、国際的なまち、知的創造の場に相応しいコミュニティ作りに努力したいと思っています。

第四は統合の実質的な内容を示す「医文理融合」総合大学院博士課程の実現です。実現に向けて、プロジェクト研究など融合分野の育成、博士課程の教員確保のための人事計画とその遂行、鹿児島大学大学院連合農学研究科の改革など克服すべき問題がありますが、実現した暁の喜びを想定して取り組みたいと思っています。多くの方々のご協力をお願いします。

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